第3章 喰らうは甘味 喰われるは甘美
薬売りは、の頬を抓った。
「人の金で、さんざん腹を満たした挙げ句、勝手に寝てしまうとは、大した御身分で。」
「へっ…!?」
「少しくらい、感謝したらどうなんです?」
「感謝なら、いつもしてるよ?」
「言葉だけじゃ…足りない。態度で、示してくれなければ、ね。」
は起き上がり、正座して深々と頭を下げた。
「薬売りさん、こんな私を側に置いてくれて、ありがとうございます。いつも、お腹いっぱい食べさせてくれて、本当にありがとうございます。」
なりに、精一杯の想いを込めて言い切った。
「良いですよ、顔を上げて。」
そうして正面を向いたは、満面の笑みを湛えている。
実に、愛くるしい。
「もっと深く、示せないんですかね?」
まだ何か足りないのだろうか?と不安を滲ませるをよそに、薬売りは冷笑を浮かべる。
「んんっ!?」
すると突然、薬売りは指での顎を掴んで口づけた。
侵入して来た薬売りの舌に、逃げようとするの舌はすぐに絡め取られてしまう。
そうして薬売りは、息もつかせぬ程の深い口づけを与えながら、を組み敷いた。
すかさずの着物を捲り上げて、良い具合に肉のついた太腿を撫で回し、内腿をまさぐる。
「ん…っふ、はぁ、あぁっ…嫌っ!やめてっ!!」
ようやく唇が離れると、は息を乱しながらも、どうにか薬売りの身体を押し退けようと、持てる限りの力で手足をばたつかせ抵抗した。
しかし抵抗虚しく、薬売りの長い指がの蜜壺に沈められ、蜜壁の上部を擦って来た。
敢え無くは、全身が甘い痺れに襲われて力が抜けてしまった。