第3章 喰らうは甘味 喰われるは甘美
の妖しく潤んだ瞳と、緩んだ唇から唾液と愛蜜とが混ざり合ったものが流れ落ちる様、そしてすっかり乱れた着物が、普段の彼女からは想像もつかない程に、ひどく凄艷で淫靡に映る。
最初はそこまでする気は無かった薬売りも、の色香を湛えた姿で魅せられてしまえば、もういよいよ制御が効かない。
「今日一日、あんたばかり、好い思いをしたんじゃあ、つまらない。」
薬売りは唐草の帯を解き、無造作に投げた。
そして膝立ちになり、の二の腕を掴んで強引に上半身を起こすと、袴を下ろして堅く張り詰めた自身を取り出した。
「甘いものばかり食べていたら、飽きるでしょう。」
言うが早いか、薬売りはの口にそれを捩じ込んだ。
「んんぅっ!?むっ…う…」
口内を埋める熱いそれに、はねっとりと纏わりつくように舌を這わせる。
それからは先端を吸い上げてみたり、舌先を尖らせて裏側をなぞってみたりと、は薬売りをひたすら攻める。
「はぁっ…、なかなか…っ、良いですよ…」
は薬売りに嬉しそうな眼差しを向けた。
時折、苦しそうに涙を滲ませながらも、懸命に奉仕するが、この上なく愛おしい。
そうして次第に呼吸が乱れていく薬売りを、は舌と唇とで、より一層攻め立てた。
「っ…ぐっ、…!」
「んあぁっ!?」
その瞬間、の顔には、夥しい白濁の欲望が浴びせられていた。
「もう、びっくりしたぁ…」
そう言いながらもは、頬を伝い落ちるそれを、指で掬って舐めてみせた。
苦みに顔をしかめながらも、満更でもない様子で薬売りを見つめる。
「こりゃあ、酷い顔だ。」
薬売りは、実に意地の悪い笑みを浮かべた。
己の白濁にまみれたの顔は、何とも艶めかしく見える。
眺めているとすぐに、薬売り自身もまた反応し始めた。
「、面白い事を考えましたよ。」
薬売りの言う面白い事とは、きっとにとっては面白くない事だろう。
しかしここまで来てしまったら、もうどうしようもない。