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依々恋々 -Another story(under)-

第3章 Hidden Desires



勤務服から部屋着に着替える。
衣装室でスカートを脱いでハンガーに吊るす。
ブラウスとストッキングを脱いで、部屋着を取り出そうと振り返ったら、じっと見つめるシャンクスと目があった。

「っきゃあっ!」
驚いて咄嗟に脱いだブラウスで前身頃を隠す。

「今更隠されてもな」
「の、覗かないのっ!」
ハンガーに吊るした洋服を眺めながら入ってくるシャンクスに、にじり下がる。
「ジウ、洋服はあまり持たないんだな」
「え、そう?」
それなりに量がある方だと思っていたので、彼の言葉に驚く。

ふぅん、と見渡して隣の引き出しに手をかける。
「あ、そこはっ」
カラ、と開けられたそこに並ぶランジェリー。
なんの恥じらいもなく指先で捲る彼に、見ないのっ!と手を伸ばす。
「赤、増えたか?」
つい先日買い足したそれに、うん、と照れて頷く。

「開けてないの、あるのか?」
「え?」
ショッパーに入ったままのそれを見つけて引っ張り出す。
「それっだめ!開けないでっ」
手を伸ばすが、ひょいっと高く持ち上げられて中身を取り出す。
「なんだ、これ?」
半透明の袋を片手に、ショッパーから落ちた一枚の紙を拾うと、ふぅん、と海外モデルによる着用イメージ画像を眺める。

「しょ、処分しますからね?」
渡しなさい、と片手を伸ばしながら、それ片手に迫るシャンクスから逃げようと腰が引ける。
下着姿のジウを見下ろし、ふむ、と頷く。
「せっかく買ったのに、勿体ないだろ」
いい笑顔で迫る顔に、ブンブンと首を振る。

脱いだブラウスを再び着て、ぎゅっと前を握り合わせる。

「さ、サイズが、」
「じゃあ、なおさら確認しないと」
未開封の証であるシールをベリ、と破って取り出される。

以前、酔っ払って帰ってきた夜。
シャワーを浴びたあと、なんとなく下着を買い替えたくなってネットショッピングした時に見つけて、興味本位で買ったのは海外通販サイトの下着。
届いた時、冷静になって見てみるとなんてモノ買ったんだ、と後悔して、箪笥の肥やしになっていた。

(なんで処分しなかったんだ、私っ!そしてなんでピンポイントで見つけてくれたっ)

取り出したものを手に、嬉しそうな顔を見上げる。
「ひとりで着るか、手伝われるか選べ」
「着ない選択肢はっ⁉」
「無ぇ」
そんな馬鹿なことがあるかっ!と睨み上げた笑顔がちょっと怖かった。

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