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依々恋々 -Another story(under)-

第14章 Love is...



「わー、こんなに簡単に見れちゃうんだぁ...そりゃあ、子供持つ親御さんが携帯持たせるの心配するわぁ」
ズラッ、とリストが並ぶ画面に、わー、えっちー、と指をすべらせる。

「ねえ」
「なんだ?」
「前は結構見てた?」
「うっ」
プイ、と顔を背けてグラスに僅かに残るワインをちびちび飲むシャンクスに、ふふ、と笑う。
「男の子だもん、そりゃあ必要な時もあるよね」
わかったような口の聞いた方を、とソファにかけた膝の間で自分の携帯を操作するジウの頭を少し雑に撫でる。

「本当に見る気か?」
女性向けに作られたもののほうがいいんじゃ、と言い濁す。
「見られたらまずい?」
「...喜んで見せるもんじゃあねぇだろ」
そっかぁ、と画面をスクロールさせるジウ。

「あら」
「あ?あっ」
パッ、と取り上げられた携帯に、ああっ!と見上げて手を伸ばすジウ。
「だ、だめだっ!このサイトはよせっ」
「見せたのはシャンでしょっ!今更ダメ!見せなさい!」
「ダメだってってんだろっ」
「なによっ!『お気に入り』登録した女優さんもいるくせにっ」
見られてた、と苦虫を噛んだような顔のシャンクスに、ん!と手を差し出すジウ。

「みーせーてっ」
下さいっ!と手を振るジウに、なんとも言えぬ表情で渡す。
「ふーん、こういう子がタイプ?」
「そういうわけじゃ、」
言いかけて黙り込む。

ジウが見る画面には、セミロングの黒髪の女優。
少し、恥ずかしそうな、照れたような表情の彼女に、ジウが重なって見えて、つい見てしまった。
声を出すまいとする様子や、終始恥ずかしげにする態度も似ていた。

履歴を流し見るジウに、ある意味、自身の一番恥ずかしい部分を見られている気がして、半分ほどが残った赤ワインの瓶に直接口をつけて飲む。

その中の一つを選んだジウに、なぜそれだったんだろうか、と聞くに聞けないことを思いながら、恋人とAV鑑賞しながら酒を飲む、というなんとも異様な空間は出来上がってしまった。

「突然始まるわけじゃないのね」

流れる冒頭の紹介やインタビュー。

趣味などの質問が徐々に際どいものになっていき、画面の中に少しずつ淫靡な雰囲気が色濃くなっていった。
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