依々恋々 -Another story(under)-
第14章 Love is...
「ぶっ」
珍しく赤ワインなんか飲むんじゃなかった、と赤いシミが広がるワイシャツを睨む。
大丈夫?とジウが取りに行ったタオルでシャツを叩く。
「やっぱりおかしい...?」
控えめな上目遣いにガシガシと赤髪を掻き乱す。
「おかしいとは言えんが...理由は?」
えっと、と言い淀みながら赤ワインを飲み込むシャツを握る。
「ど、どういう、もの、なのかなぁ、って...映画とかのラブシーンとは、やっぱり違うのよね?その...映り方?とか」
「まあ...そりゃあ、」
そういえば長らく世話になってないなぁ、なんて考えながらワイングラスをローテーブルに置く。
「女向けのAVもある時代だしなぁ」
「そうなの?」
「元は、男向けが主流だからな。女ウケの悪い表現だってあるし...」
「ちょっと調べてみたんだけど、シャンにもいる?お気に入りの女優さんとか」
「最近は見てないからなぁ...」
よく知らないんだよな、とシミが残るシャツを脱ぐ。
「確実に私よりは詳しそうっ」
「どう捉えろってんだよ、その言葉」
苦笑いでワインが染みてしまったアンダーウエアも脱ぐ。
「前に少し見たろ。ほら、ラブホテルで」
「す、少しだけね」
モジモジするジウをソファに押し倒す。
「それともなんだ?なんか不満があんのか?」
そうなら、と白い首筋に顔を埋める。
「そうじゃない!ただの興味本位っ、やん!」
ツー、と尖らせた舌先で柔らかな首筋を舐め上げる。
「まっ!知的好奇心があることはいいことだ」
腕を優しく掴んで引き起こすと、抱き上げて膝の上に抱えたジウの腹部に腕を回す。
「どういうのが気になるんだ?」
「え?携帯で見るの?」
検索エンジンにソレを見れるサイトに繋げられると考えられる単語を打ち込むシャンクス。
「今時、レンタルショップに借りに行くやつはおらんだろう」
「ふむ。昔?はそうだったのね。ねえ、それってどのくらい前の話?」
「...約10数年前ってところか?」
「携帯で見れちゃうんだぁ」
墓穴掘ったか?と一瞬手が止まったシャンクスに気付かないジウは、検索枠に打ち込まれる単語に、わお、と声を上げた。