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依々恋々 -Another story(under)-

第13章 libido



仕事で遅くなる旨と彼の家で待っていてほしいという連絡を受け、今夜の夜食もしくは明日の朝食になる予定の中華風粥を作りながら帰りを待っていた。

出来上がった鍋に蓋をし、リビングのソファに掛ける。
(よくこんな広い所に一人で住めるなぁ)
テレビもつけず、シンとした部屋を見回す。
大画面のテレビでなにか見ようかとリモコンを手にした時、インターホンが鳴った。訪問者を知らせる音ではなく、下階でこの部屋のカードキーで解錠されたことを知らせる音だ。

「おかえりなさい」
赤らんだ顔で、ただいま、と笑うシャンクス。
「ジウ〜」
抱きついてきた背中を撫でる。
「ジウ、ちゅーしてくれ、ちゅー」
んー、と唇を寄せる彼。

「もう〜、酔っ払い!」
お酒臭い、とざらついた頬にキスをすると、不満そうに頬を膨らませる。
「可愛くない」
「ちゅーするならこっちだろぉ」
唇を突き出して、甘えた声を出すシャンクスの鼻がピクリと動く。

「いい匂いがする」
顔を上げ、スンスン鼻を鳴らす。
「明日の朝食用に中華粥作ってたから」
「お!うまそうだな」
今食べたい、と笑う頬にまたキスをして、着替えてきたら、と見上げる。
「だから、こっちだっての」
軽く触れた唇からはアルコールの香り。

着替えてくる、と笑う彼を送り出してキッチンに立つ。
「うまいっ!なんか、貝?入れたか?」
「シャンのお酒のアテに買ってた干貝柱使ったの」
お粥を美味しそうに食べる。
「ジウは良い嫁になるな、俺の」
ふふん、と笑うと、うまかった、とすっかり空になった器を差し出す。


ジウと呼ばれ、ほら、と伸ばされる腕。
ソファに足を上げて座る彼の膝の上に乗せられ、優しく抱きしめられる。
「ジウ」
見上げると、真上から落とされるキス。
軽いキスを2回すると、ちう、と軽く吸い上げられた下唇を撫でる濡れた熱の厚み。
絡め取られた舌をキツく吸われる。
スル、とシャツの裾から入る手。
右手で腰を抱き、左手で脇の方から胸に触れる。
ざらつくひげの感触の輪郭を指でなぞると、ゆっくりと離れた唇を唾液の糸が繋ぐ。
舌でそれを舐め切る仕草を眺め、ゆっくりと息を吐いた。

コツ、とあたる額と至近距離のブルー・グレイ。
「えっち、するか」
一つ、瞬きをしたそれに灯る情欲の火に身体が熱る。
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