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依々恋々 -Another story(under)-

第11章 Drager



湯船でぼんやりと空を見ているシャンクスの首筋に伝う水滴を指先で拭う。
上せそう?と赤みが差した頬を撫でる。

「ごめんな、」
背後から抱き込む腕を撫でる。
「ねえ、なにかあったの?」
本当にシたくなっちゃっただけ?と振り返る。
「...酒に、何かしら仕込まれたんだろう」
「仕込まれた...?」
「精力剤か興奮剤か...最悪、ドラッグも考えたが、それは無さそうだ」
禁断症状らしきものはなさそう、と体をならす。
「悪かったな、突然呼び出したりして」
上がる、と気怠げな動きを追う。

「っあー、体痛ぇ...若くねぇなぁ、俺も」
腰に巻いたタオル1枚でベッドに腰掛けると、手を組んで膝につく。
「『も』には誰が含まれるのよ」
ローブを羽織り、髪をタオルで纏めたジウは、シャンクスの頬を摘む。
「痛(いら)い、痛(いら)い」
へらり、と笑った唇に、テーブルのフルーツボウルに手を伸ばしてブルーベリーを摘むと、食わんぞ、と先手を打たれたので、かわりにカットパインを差し出す。

「ジウと3回、その前に2回...案外、やれるもんだな」
「何に感心してるのよ」
今度は素直に開いた口に甘い果肉を放り込み、一人頷いているシャンクスの頬を撫でる。
「たまにはこういうデートもいいだろう?」
「?酔っ払って薬盛られた彼氏に襲われるデートなんて最悪よ」
違う違う、と腰を抱き寄せられ、脚の上に乗る。

「互いに一人生活だからな。あまり泊りがけの出かけもしないし、ホテル取ることも殆ど無いだろ」
「そうね。前にラブホテルに行ったくらい?」
ひょんな事からジウがラブホテルに行ったことが無いと聞いて行ったっきりだ。
「家にいると、ジウは動き回るからな」
料理は一切しないシャンクス。その他の家事は殆どを外注していた。ジウが定期的に来るようになり、手が空くと炊事洗濯をやるので、最近は利用していない。

「ジウを休ませるためにも、ホテルでゆっくり過ごすのもいいだろ」
「習慣でやってるだけだから、気にしなくていいのに」
首筋に顔を埋めて甘える赤い髪を撫でる。
ジウ、と小さく呼んで体を抱き寄せる。
「愛してる」
ポツリ、と零された告白。
「私も。愛してる」
嬉しそうに細められたブルー・グレイに映る自分と見つめ合い、温かい唇に重ねた。
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