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依々恋々 -Another story(under)-

第9章 aphrodisiac-媚薬-



 (オマケのオマケ)

海外の薬品通販のページに目を流す。
(下手に別のものを試すより、同じもののほうが確実か?)
けれど、あの独特の甘い香りをジウは覚えているかもしれない。

「ん?」
催淫作用があるとされる果物などのエキスを元に、と英語で書かれた説明を2回、読む。
「んー...」
一応、と英文をコピーして翻訳サイトにかけてみる。

「スポイトなんか、ついてたか?」
同じシリーズのそれに書かれた、適宜、付属の専用スポイトで適正量を吸い上げて使用すること、という一文に、サナから受け取ったのは瓶一つだったはず、と首を傾げる。
使用した薬品のページを開き、長い説明文を読み流す。
「え?」
ピタ、とスクロールしていた画面を止める。
傍にいたイヴが、何か?とこちらを向く。
咄嗟に画面を伏せ、なにも、と首を振る。

自席に戻った彼女から伏せた画面に目線を落とす。

『適宜、薬剤は付属のスポイトで吸い出して計量すること。なお、以下の表を参考に、使用者の体重に見合った量を水で薄めた上で服用すること。』

ふむ、と少し画面をスクロールして、適正量の表を確認する。
(確か、半量ずつ、飲んだよな)
単純に1/2として、と互いが飲んだ量と適正量を比較する。
自分はまだいい。原液でも倍量まで飲んでいない。
だが、ジウはどうだ。


「っあ〜!そういうことかっ!」
突然叫んだシャンクスに、フロアの人間が振り返る。


使用した薬品の適量よりも、少し多い量を原液で飲んだ自分と、同じ原液を適正の倍以上飲んだジウ。
効果の差が出て当然だ。
やってしまった、と唸るが、互いに何事もなく落ち着いたので、過ぎてしまったこと、と諦めるしかなかった。
(っ空瓶、どうしたっけ)
服用を間違えたとジウが知るとまずい。

(二度と飲んでくれないっ)
あんなに、欲に素直で可愛くていやらしいジウを見られないなんてっ!と画面を睨みつける。
「お?」
同じ薬品の無味無臭タイプのページを開く。
お好みの飲み物で薄めて、という一文に、迷いもなく「購入」の一言をタップした。

「瓶、どうしたかな」
それだけが気がかりで、早めに仕事を切り上げて自宅に帰った。
キッチンの隅に置かれていた小瓶。中を濯いだそれを、書斎の引き出しの奥に隠し置いた。
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