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依々恋々 -Another story(under)-

第9章 aphrodisiac-媚薬-



 (オマケ)

ピンポーン、と鳴ったインターホンにのぞき穴を見ると親友夫婦。

「前撮りしてきたんだ」
少し離れた白い浜辺が人気の海まで行ったという。
お土産、と渡された小瓶には砂浜の星砂を模した可愛らしい金平糖。

写真見せて、とキッチンでお茶の支度をしていると、スッと隣に立った腐れ縁。
「アレ、使ったか」
「『アレ』?」
どれ?とドリップコーヒーをセットしたマグにお湯を注ぐ。
「サナが赤髪に渡したって言ってたぞ」
「シャンに、渡した...??」
自分用の紅茶を用意しながら、うーん?と悩む。

「っあ!」
ニヤニヤ笑って腕を組むロー。
「悪くなかったろ?」
「お前っ、そっ、きっ、なっんてモノ持ってるのよっ」
真っ赤になったジウに、ローはクツクツと笑う。
「楽しめたならなにより。残りはどうするかは赤髪と決めるんだな」
「残りなんかないわっ!変なこと思い出させないでっ」
もーっ!と熱くなった顔を仰ぐジウを見下ろす。
「は?残り無いって...お前ら、アレ、一瓶使い切ったのか?」
マジか、と目を丸めているローに、え?と眉を顰める。

「半量ずつ、飲んだ、けど」
口元をひくつかせたローが、耐えきれないとばかりに吹き出す。
「何っなんなのっ!?」
「お前っあれ、ククッ」
身を屈めて笑うローが、目に滲んだ涙を拭う。
この男がこんなに笑うなんて珍しい、とツチノコでも見たような顔のジウをふん、と鼻で笑う。

「ま、『用法用量は厳守しましょう』って話だな」
はぁ?と見上げる。
「ああ、お前、英語だめだったな。ということは、赤髪に騙されたか?」
まあ、ピンピンしてるみてぇだし問題なかったみたいだな、とサナ用と自分用のマグを手にキッチンを出ていくロー。

「どういうことよ?」
意味わかんない、とジウは紅茶のマグを手に首を傾げた。
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