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依々恋々 -Another story(under)-

第2章 解放



「で、なんでこうなる?」
ジウに触れるより早く、抵抗してもいいけどそしたら一週間延長、という脅し文句で言われるがままになった。

脱いで、と言われてベッドルームで指示される通りに全て自分で脱いだ。
それをじっと眺めていたジウは、目を閉じて、と指示されて大人しく従ったシャンクスの後ろに回り込んで腕を取る。
「なんなんだ?これは」
背後から聞こえた施錠音に唸る。
(どちらかといえば、縛りたい質なんだがなぁ)
早い吐息が鼻を抜ける。


事の始まりは、NAME1#の体調を考慮すること無くコトに及ぼうとしたシャンクスに課せられた、1ヶ月間の接近禁止。
触れてはならぬ、という判決に、どこまでの接触なら!?と食い下がり、軽いキスとハグなら許容され喜んだのも束の間、そこまで許容されておいて先がない、という責め苦でしか無い1ヶ月を耐え抜いた。

 ✜

「入手経路は教えてもらえないもんか?」
「世の中、便利なったものよね。顔も合わせず、翌日配送」
自分と同じかと、目元に感じたサテン生地の冷たさにピクリと肩の筋肉が跳ねる。
「1、抵抗しないこと」
約束できないかもしれない、と黙る。

「っう」
突然与えられた下腹部への刺激にビクッと、逃げる腰。
「返事」
ギュッと強めに握られて、わかった、と仕方なく頷いた。
「2、勝手に動かないこと」
動けないだろ、と縛られた手で身動ぎ、頷く。
「3、わがまま言わないこと」
「急ににふわっとした指示だな」
「抵抗しないって言ったでしょ」
また、キュッと握られて、わかったわかった、と頷く。

「最後に、命令には従うこと」
「命令?」
鼻先をかすめた甘い香りと、ふに、と唇に触れた固いものに、咄嗟に身を引く。
「はい、抵抗した」
そういうと、ぱく、と耳に甘噛してくる。
この状況でそれは、と身を攀じる。
「あーん」
子どもに言い聞かせるような声とともに輪郭に添えられた手で上を向かされ、躊躇いがちに開いた口へと放り込まれたのはどうやら飴玉。

「じゃ、せいぜい楽しんで」
「は?あっおいっ!」
そこから返事もなく、いるのかいないのかもわからなくなったジウに戸惑う。

「どういうことだよ...」
全裸で両手の自由が奪われた状態で放置されたシャンクスは、暗闇で、カラ、と口の中の妙に甘ったるい飴を転がした。
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