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依々恋々 -Another story(under)-

第6章 Rainy Night,Rainy Morning



「まぁ、酔うちくろうて無性にシたくなる時もあるでしょうよ」
昨夜の事がすっぽり記憶にないというシャンクスに、気にしてないよ、と、ローテーブルに蹲る赤髪を撫でる。

「あー、その...変なこと、口走ってなかったか?」
少しだけ顔を上げてちら、と隙間から覗くブルー・グレイ。

んー、と輪郭に指先を当てて少し上を見上げる。
「『すごい』と『やばい』を繰り返してた」

ゴン、と額がぶつかる音に、大丈夫?と肩を手をかける。
「酔っ払うと饒舌が増すね」
「忘れてくれっ」
腕を組んで顔を隠すシャンクス。
気を付けてたのに、という言葉に、同じようにローテーブルについた腕に顎を乗せて覗き込む。

「気をつけてた、って?」
グー、と喉を鳴らすシャンクス。
「狸寝入り下手か」
顔を上げて腕に顎を乗せると、ううん、と唸って目線を左右に揺らす。

「昔、指摘されたことがある」
ふい、と顔をそらした耳が真っ赤で、かわいい、と眺める。
「泥酔状態でヤる時だけ、やけに饒舌になると。どこがイイとか、こうしてくれだとか強請ってくる、らしい」
「ん?割といつもそうよ?」
え?と上がる頭に、え?と首を傾げる。

「シラフでも指示するしお強請りしてるよ?」
されるがままではない、と首を振る。
「『こうやって扱いて』とか『強く吸って』とか、『それ気持ちいい』とか言ってるし、手でして、口でして、キスしてって、お強請り多いよ?」
キスして、より、キスしよう、が多いかな、と微笑むジウ。


ここ5年ほど、割り切ったカラダだけの仲の異性だけだった。
ずるい、と言われることは多かった。

曖昧に誤魔化してばかりだったので、相手が本気になりそうだと気づくとサラリと距離を置いた。
そうやってきて自ら追いかけたのは、ジウが初めてだった。
ジウと初めて体を重ねた後、異性関係はすべてキレイに整理した。
一人くらい拗れるかと思ったが、こちらが拍子抜けするほど皆、口を揃えて「やっぱり本気じゃなかったのね」と笑顔で去っていった。

「違ったところを強いて言うなら、口調が甘えてたかな?」
でも意外と甘えたなのは知ってるし、と頭を撫でる手。

そう。
自覚もなく甘えていた。
微笑むジウを抱き寄せてキスをした。
繋ぐ手に力が入る。
ああ幸せだ、と抱き竦めた小さい体を押し倒し、甘い唇に夢中になった。
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