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依々恋々 -Another story(under)-

第6章 Rainy Night,Rainy Morning


Pipipipipipipi Pipipipipipipi
繰り返されるアラーム音に、んん、と動かそうとした体が固まっている。伸ばそうとした腕が動かせなくて見上げると、すよすよと眠っている赤い髪。
昨夜、会議と食事会で会えない、とメッセージが送られてきたのに。
んん、としかめっ面をして舌打ちしたシャンクスに、慌ててアラームを止める。
身動いで抱き込んだ体を一層引き寄せると、スリ、と髪に頬ずりをする。
今日は休みだからいっか、と腕の中で少し見上げる顔を見つめる。


「綺麗な顔」
無精髭だけど、とざらつく輪郭を指で撫でる。
眠っている顔というのは、どうしてこうもあどけなくて幼く見えるのだろうか、と少し、腕からすり抜けて大好きなブルー・グレイを隠す瞼に口付けする。
起こしたかな、と見下ろすと、んんー、と胸元に埋まる赤髪。

「甘えてるの?」

眠って返事がないのをわかっていながら、柔らかいくせっ毛を撫でる。

「かわいい人」

いつもなら、かわいいって言うな、とちょっと照れたような顔で撫でられる頭。
今日は、撫でる側。

すっきりと覚めた頭で、外からの雨音に気づく。
(雨、か)
洗濯はできそうにないな、と考える。
囲い込むように腰のあたりで組まれた手。
ぽかり、と少し開いた口から漏れる寝息。
そのリズムに合わせて上下する鍛えられた胸に手を這わせる。
しっとりと吸い付く感触の肉質。

「いいカラダしてるなぁ」
なんで上裸なのかは知らないけれど、と手を這わせると、敏感な部分に触れたのか、んん、と体が跳ねる。

ふむ、と軽く布団を捲って覗くと、パンツ一枚の長躯。
「またには、いっか」
ちょっと、イタズラしたくなってしまった。

すよすよと寝息を立てている隣に座り、ふむ、と腕を組む。下着一枚で寝転んでいる体を、今のうち、とばかりに観察する。
筋の入った首。
深い窪みの鎖骨の下には、程よい胸筋。
きれいに割れた腹筋と左右対称の腰骨。
太すぎず、ひ弱でもない大腿骨と男性らしい体毛のある向脛。
やはり、長躯を支える足は大きい。

しかし、なぜパンイチで寝てるんだろうか、と首を傾げる。

「イタズラしていいですかぁ?」
すう、という小さな寝息の返事。
首筋に吸い付くと淡く跡が残った。
それに満足して、さて、とじっくり体を眺めると、頬を撫でて、つう、と肢体に手を這わせた。
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