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依々恋々 -Another story(under)-

第5章 HOTEL XXX


どうやら企画モノらしく、オフィスらしき場所で組み敷かれた女優が嫌がりながらも、乱暴な手付きの男優に脱がされている。

グレーのボックススカートをキュッと握り込んだジウが、ひゃあっと目を閉じた。

(まぁ、ありきたりっちゃありきたりだな)
よくある設定の映像に、特に興味も惹かれない。
(むしろ、)
目線を横に逸して見下ろす。
「あっ、わっ!えっ、おお」
百面相しながら画面を食い入るように見て、いちいち反応を見せるジウに興味を惹かれる。

「え、すご...」
じいっと食い入るように見ている画面には、交わり合う裸体。立ち上がる男が、しがみつくようにしている女優の足を抱え上げている。

「人ひとり抱えてって、辛くないのかな?」
「ジウくらいなら、よほどのヒョロい奴でもない限り余裕だろう」
気になるのはそこか、とベッドに膝を曲げて座り込むジウの脚を撫でる。

「どうする?」
スッ、と太腿に手を這わせてから腰の辺りを擦る。

「風呂が良くて選んだんだろ?先か後か」
先か後か、と繰返し呟いて少し考える仕草を見せたジウ。
「先、かな」
プツ、とテレビを消すと、ジウをベッドからおろした。
程よくお湯がたまった丸いバスタブに、お風呂かわいい、と笑っているジウ。
「入浴剤、入れるか?」
「あるの?」
脱衣所のそれを指差す。
「あわあわにしていい?」
某ブランドの発泡バスソルトを嬉しそうに手に取った。

順番に体を洗ってバスタブに浸かる。
「いい香り」
くるくるとお湯をかき混ぜて泡を増やすと、バスタブの縁に乗せる。
丸く整えると、今度は小さい掌いっぱいに泡をすくって整える。
「髪、洗うか?」
「ん、あとで」
泡団子づくりに夢中なジウ。
ピクリ、と片眉を上げたシャンクスは、綺麗に丸く整った掌の泡にフッと強く息を吹きかけた。

「あっ!」
ぷわり、と舞い上がった泡の中に、2、3個のシャボンが浮かぶ。
その一つを突き壊したシャンクスの手を掴む。
「壊さないでよ」
手を掴んだまま、空いた手の指で輪を作って石鹸の膜を作ると、ふーっと細く息を吹きかけるジウ。
ふわふわとシャボン玉が浮かぶ。

ジウの意識を奪うシャボンを次々に壊していくシャンクス。
もう、と怒って見上げたジウの唇に噛み付いた。
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