• テキストサイズ

依々恋々 -Another story(under)-

第25章 発見と孤独遊戯



(前に「一人でシて見せて」って言った時は、手でしてたな)

ああ言うグッズの方が気持ちいのかな?と小鍋の湯の中の卵を菜箸でつつく。

(最近買ったのかな...?)

あのチェストを開けることはほとんどないもんな、と湯の中で転がる卵とにらめっこ。

(もしかして)

ゆっくりと、湯をかき混ぜていた手が止まる。

(私とスるの、飽きた、とか...?)

沸騰した湯に揺られてカタカタ音を立てる卵。
一人、小さな、いや割と大きなショックを抱え、グツグツと茹だった鍋を五徳から外す。

シンクで流水で冷やしながら、殻を剥く。

(男の人なら、一つや二つ、持ってるものなのかな)
ローに聞いてみようかな、とか考えながら夕飯の支度を勧める。

半分に切り分けたゆで卵を、完成したタコライスに乗せる。
2つの皿を両手にキッチンカウンターを回ってダイニングテーブルに向かった時だった。

「っひゃあっ!」
「っ危ねぇ!」
「っあっ!」

ぐらついた皿をひょいと取り上げたのは、家主であるシャンクス。

「声掛けたが、返事が無ぇから変だと思ったが...」
何かあったのか?心配そうに見下ろす目線と目が合う。
「あ、う、」
「どうした?」
固まってしまった🌸の様子がおかしいことに気づいたシャンクスは、🌸が両手で持つ一皿も取り上げてダイニングテーブルに置いた。

「🌸」
「ぁ、は、はい?」
えっと、と目線が定まらない彼女を見つめ、優しく手を引くとリビングのソファに座らせた。
向かいのラグにどかり、とあぐらを組んで座ると、柔らかく笑う。

「言ってみろ。
 頭で悶々と考えてドツボにハマったことの中には、口にしちまえば案外容易く解決口が見える時もある」

ゆっくりでいいから、とそっと握った手を撫でる。

(なんで、わかっちゃうんだろ)

爪変えたか?と先日、セルフネイルを施した指先の変化に気づいた彼の顔を見つめて、ゆっくりと息を吐く。


「あのね、シャン」
「なんだ?」
柔らかな瞳に、えっと、と口を開く。

「その、シャンって...ひ、ひっひとりっでしたりっするっ!?」
「...ん?する?何をだ??」
スムーズに言えなかったせいで、うまく伝わらなった言葉に、だからっ!と繰り返す。

「ひとりえっち!するのっ!?」

目の前のシャンクスは、瞬き一つしなかった。


/ 164ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp