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依々恋々 -Another story(under)-

第25章 発見と孤独遊戯



「っしょっと」

公休日の平日。
シャンクスの自宅。
寝室の大きなベッドからシーツを剥ぎ取る。

洗濯機を回し、会社関係の書類がある書斎以外のドアを開け放って、ロボット掃除機のスイッチを入れる。

(ペットみたいでかわいい)

ブラシを回しながら床を這いずり回る家電を眺め、換気のために窓を開ける。

「ん?」
お掃除ロボットがぶつかった衝撃で開いてしまった、ベッドの隣の小型チェストにそれはあった。

何処かで見たことがある気がするそれに、あー、と意味のない声を出す。

「買ったのか...な?」
いわゆる、男性向けのセルフプレジャーグッズである。

ネットなどで存在は知っていたが、現物を見るのは初めてだった。

「結構軽い」
ふむ、と手中で転がす。
どうやって使うんだろう?と好奇心であちらこちらから見てみる。
「え、使い捨てなんだ」
パッケージの取り扱い方法に、その割にしっかりした作りだな、とくびれのある形を握る。

「入る、のかなぁ?」
ここから?と挿入口らしい箇所を指先で押してみる。
「入れて、動かすわけね」
なるほど、と操作方法を読んでいると、ポケットに入れていた携帯が振動した。
「うっひゃあ!」
手から離してしまったそれは、ベッドに落ちて弾む。

呼び出し続けるそれを慌ててつかむ。

「はっはい!はい、🌸ですっ」
携帯を耳に当て、どうしよう、とその場でクルクルと回る。

-どうした?かけなおすか?-

大丈夫か?というシャンクスの声に、だ、大丈夫!と言いつつ、ベッドにぽつんと横たわるそれをどうしようかと目線を彷徨わせる。

-家にいるんだよな?-
「うん。いる、いるよ。えっと、掃除してて...」
-休んでて良いんだぞ?-
「えっと、えー、そうだね。
 うん、しないほうが良かった、かな?」
どうした?という声に、なんでもないっ!と早口に答える。
-飯、どうする?たまには出るか?-
「あ、外が良かった?」
夕飯仕込んじゃった...と言うと、いいや、と弾んだ声が帰ってきた。

−すぐ帰る−
「うん。わかった」
-いい子で待ってろよ?-
「はいはーい」

切れた電話をポケットに仕舞うと、ライトグレーのシーツがかかるベッドで存在感を放つソレに手を伸ばした。

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