依々恋々 -Another story(under)-
第23章 Trick and Treat??
せっかくの雰囲気だし、とワインを持ち出して夕飯を堪能したシャンクスは、さてと、と頬杖をついた。
「どんなイタズラがいいかなぁ」
ニヤついている彼に、残念でした、と下げた食器と入れ替えにココットを出す。
「げ、」
「かぼちゃプリンをどうぞ」
ええー、と不満そうにプリンを見下ろす。
「くっそー、あの時間で作ったのか...」
「かぼちゃにお砂糖と卵混ぜて牛乳で伸ばし、濾したものをお湯を張ったフライパンで蒸し固め、冷やしたら完成でーす」
「さすがだなぁ」
「お好みでカラメルソースをかけて召し上がれ」
🌸の手際のよさを嘗めていた、とミルクポットのカラメルソースをたっぷりかける。
「ねえ、シャン」
「うん?」
うまかった、とデザートもしっかりと胃に収めたシャンクス。
「Trick or Treat?」
はい、と向けられた両掌。
「クッキーは、ルゥさん達からだったんでしょ?
シャンからのお菓子は?」
「あ」
えっと、と目を彷徨わせるシャンクスに、ほら、と手を差し出す。
「えーっと、あっ!🌸、仮装してないぞっ!?」
「してますよー?」
どこが?とコットンシャツとリブニットパンツの姿を見下ろす。
「してないだろ」
いつもの部屋着の🌸は、ほらよく見て、と手を広げる。
「シャンほどの人なら、わかるでしょう?」
「ええ〜?」
難問だなぁ、と頭の先から爪先までじっくり見る。
うーん、と悩み、答えを捻り出す。
「『OLのオフタイム』とか?」
「ハズレ〜」
「『いつもの🌸』の仮装」
「それ、仮装って言える?」
「...降参だっ!」
ホールドアップしたシャンクスに、🌸は嬉しそうに笑った。
「はい、じゃあイタズラしまーす!」
後ろ向いて、と言われて反転すると、ギュッと腰に抱きついてきた。
「イタズラか?これ」
むしろ嬉しいけど、と振り返った時だった。
「っうははははっ!や、やめっ、」
サワサワと腹筋や脇腹を這う手。
「こらっ🌸!っギャハハッ!っうひゃひゃひゃ」
引き剥がそうにも笑いで力が入らないシャンクスは、ケラケラと笑い転げた。
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