依々恋々 -Another story(under)-
第23章 Trick and Treat??
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「これ、クッキー?」
ダイニングテーブルに置いたままのそれを指差す🌸。
「ああ。ハロウィンだと飲食部の奴らが配って回ってたんが...」
苦笑いのシャンクスに、食べないの?と聞く🌸。
「『ハズレがあるから、下痢止め支度して食え』と言われた」
「ヤダ、怖い」
クスクス笑う🌸を抱き寄せる。
「腹下したら、看病してくれ」
「いたずらというよりも、それはもはやテロじゃない?」
まあ冗談だろう、と包装を開けるシャンクス。
「手作りなの?」
「ああ、ルゥの新作レシピだと言っていた」
「あら、おいしそう」
ルゥさんのリゾットおいしかった、と言う🌸に、食うか?と割ったカケラをやる。
「えー?道連れ?」
笑いながら受け取る🌸。
「運よくそっちには入ってないかもしれないだろ?」
「でも、そうなら、シャンがお腹下しちゃう」
おかしそうに笑いながらいただきまーす、とカケラを口に放る。
「んー!ほろほろ食感っ。スノーボールみたい」
おいしい、と顔を綻ばせる🌸。
「普通のクッキーだな」
「すごくおいしいクッキーだよ」
もう少しもらってもいい?と言う🌸に分け与える。
「看病してやるからな」
「え、本当に?冗談だよね?」
さあ?とパッケージを見つめるシャンクス。
「ホンゴウに言えば、薬くらい手に入るだろ」
「えっ。食べちゃったじゃんっ」
吐いた方がいい?とおどおどする🌸。
「大丈夫さ。ほんのイタズラだろう」
「それは『下剤入りがあります』って言ったこと?!
本当に入ってるってこと?!」
ねぇどっちっ!?とパニックになっている🌸に、ケタケタと笑う。
✜
「RedForceのお菓子って、本当に美味しいよね」
たまにくれるじゃない?と惜しくも新作のラインナップから外された試作のおこぼれを賜る🌸が言う。
「あれって、最終判断はシャンがしてるの?」
「まあ、場合によってはストップかける時もある」
「たとえば?」
「土産物として出すのに持ち運びに向いてないとか、子供向け商品なのに価格設定が高すぎるとか、ターゲットとビジュアルの均等が取れてないとかな」
なるほどぉ、と小さく砕けたクッキーを食む🌸が、おいしい、と微笑んだ。
✜