依々恋々 -Another story(under)-
第22章 快楽
✜
ガチャンッ、と音を立てて閉まった玄関扉。
片腕で腰を引き寄せられ、ヒールのまま背伸びをする。
ぶつかった唇を貪られ、少し背を屈めている首に両腕を回すと、肩にかけていたバッグを奪われ、金属音とともに背後に放られた。
キツく抱きしめられたまま腰を抱き上げられ、脚が浮く。
踵が抜けたヒールを脱いでしまうと、カコン、カコン、と三和土に倒れた音がした。
両腕で抱きかかえられると、浮いた両脚の内腿をピタリとシャンクスの両脇腹にくっつけ、腰で足首を組む。
そのままスタスタと部屋に上がったシャンクスは、就寝スペースではなく、リビングのローテーブルにジウを押し倒した。
ジウの腰の横に片膝を乗せ、レザーの上着を脱ぎ、中に着ていたカットソーまでも脱いでしまう。
「背中、痛いか?」
「ん、平気」
脚を解き、膝を曲げてキュ、とシャンクスの腰を挟むジウ。
捲りあがったショルダーベルト付きのコルセットスカートから覗く脚を撫で回す。
「せっかく可愛い格好してんのに、脱がすの、もったいねぇな」
「こういうデザインの服、好きなの?」
グレーのフレアで、コルセット部分に金の飾りボタンのついたチェックのスカートの下には、胸元にフリルのついた白のブラウス。
「ジウに似合えば、なんでも好きだ」
小さなボタンを、少し煩わしそうにながら外していく。
「Tシャツ1枚でも、ジウが着ればかわいい」
キャミソールから少し透ける赤の下着を確認して、僅かに目を細める。
「どうせ脱がしちまうけどな」
ニッ、と笑ってぶつかった鼻先に、弾くようにキスをした。
「なんだ、妙に煽ってくるじゃねぇか」
ニタ、とイヤらしく笑うシャンクスは、開けたブラウスから覗く胸の谷間に顔を寄せた。
「そ、んな、つもりじゃ」
「嫌ならちゃんと嫌がってくれるだろ」
ちゅうっ、と片胸の柔らかな部分を吸い上げ、唇で喰む。
「ま、だ...明るい、のにっ」
「期待した顔で見てくるジウのせいだ」
「そんなっ」
カーテンが閉められた部屋は薄暗いが、周囲を確認するには十分な光量があって、脹脛や膝を撫で回していた手がつう、と太ももの裏を逆撫でした。
ワイシャツの首元からいくつかだけボタンを外して脱ぐと、床に放る。