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依々恋々 -Another story(under)-

第20章 寝坊に御注意...



 ✜

「ごめんなさい!ごめんなさいっ
 寝坊したことも、あの、なんか、その...
 もう、本当に色々とごめんなさいっ!」
「いやっ、うん。
 ふっ、いや、いい、いいんだっくくっ」

目元の涙を拭いながら笑うシャンクスに、申し訳ありません、と手をついて頭を下げる。
こらこら、と頭を上げられ、腕をひかれると、ポスリ、とあぐらをかいた脚の間に抱き上げられる。

「寝坊なんか俺の方がしてるし、ジウとのえっちな夢なんか毎晩のように見てる」
可愛い奴め、と愛おしさに目を細めて髪を撫でる。
「けど、寝落ちちゃってご飯の支度もしてないし...」
「いいんだ。ジウが無事だったんだから」
あー焦った、と笑って、膝の間に収まるジウの肩に腕をかけて手を組む。

「ごめんなさい。
 昨日、シャンの部屋で待ってるって言ったのに」
「元は、デートをドタキャンした俺が悪い」 
「でも、お仕事じゃしょうがないよ」
「お前は本当に甘えるのが下手だな」
乱れた髪を整えながら、穏やかに微笑むシャンクス。

昨夜、いつものようにジウの休日前の夜を2人で過ごす予定だったが、シャンクスの会社の方で少しトラブルが起き、急遽、キャンセルになってしまった。
仕事帰りだったジウは、いつもシャンクスの家のキッチンを使っているから、と、自室で調理の下拵えをしてT.O.Gに向かおうと、自室に帰って調理をして支度をしたのだが、天気を見ようとつけたテレビで偶然流れ出した懐かしい映画に夢中になってしまい、挙句の果て、寝落ちていたのだ。


キッチンの冷蔵庫には、下拵えの済んだタッパーが詰め込まれている。

「傷まないように冷蔵庫に入れた事だけは偉いわ、昨日の私」
「いつもありがとうな」

冷蔵庫前で落ち込んでいるジウの髪を撫でるシャンクス。
はあ、とため息をついて振り返る。

「え?どうしたの?」
なに?と扉が閉まった背後の冷蔵庫に片腕をつくシャンクスを見上げる。
「シャン...?」
一歩左に逸れようとしたのを妨害する右脚。

「なあ」

耳元に寄せられた唇からの低音と吐息に、ゾクッ、と震える。

「夢の中の俺は、どんな風にジウを気持ちよくしてた?」

イヤイヤ、と首振ると、スル、と体を撫でる大きな手。

その手に触れられていた夢の記憶に、吐息が揺れた。
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