依々恋々 -Another story(under)-
第19章 君との朝
Pipipipi...
「んっ」
いつもの携帯のアラームに、ボーっと目を開く。
鳴り続けるアラームを止めて起き上がると、うーん、と伸びをする。
素肌にシャツ一枚で、寝癖のついた髪をかき上げる。
(少し切ろうかな)
ふぁ、とあくびをしてベッドから降りようと布団から足を出す。
「うん?」
ツン、と引かれたサイズの合ってない彼のTシャツの裾。
それを掴む指先を外そうとした手を、グイグイと布団に引っ張られた。
「起きてるの?」
無精髭が少し伸びた顎下を擽るように撫でると、んんっ、と顔を顰めて背けるも、布団に引き戻そうとする。
「起きてるでしょ」
クスクス笑いながら、仕方ないなぁ、と布団の中に戻る。
「ダーリン、起きて?」
ピク、と上がった口角にふふ、と笑って今度は口元の髭を擽る。
「んんぅ」
擽ったそうに身を捩り、動きを封じるように抱きしめる長い腕。
「起きないなら、キスしちゃうよ?」
ん、と突き出された唇に、起きてるっ!と笑う。
ぐう、と作り出された鼾で目を開けないシャンクス。
「起きる?起きない?」
いたずらしちゃうよー?と裸の脇腹を少し擽ると、ぁうおっ!と変な声を上げて目を開けた。
「キスで起こしてくれるんじゃなかったのか?」
寝起き独特の掠れ声で、おはよう、と額に唇を寄せる。
「ん?今日休みか?」
まだ布団にいる🌸の髪を指に絡める。
「うん。先週の土曜日、当番だったからね」
その分、と擦り寄る🌸と素足を絡め合い抱き合う。
「予定があるのか?」
「別に特には」
「そうか...」
スリ、と腰から脚を撫でる手。
「シャンは?」
「🌸が休みなら休みだな」
なにそれ、と笑う🌸とのピロートーク。
「デートする?」
「どっか行きたいとこ、あるか?」
そうねぇ、と考える🌸を転がして背を向けさせると、ピタリと胸板をつけて、胸に手を添える。
「なに、この手?」
「ショッピングでもドライブでもなんでもいいぞ」
疑問には答えず、ふに、とした胸独特の柔らかさを掌で楽しんでいる。
「あ、ちょっと日用品見たい」
こっちの洗濯洗剤無くなっちゃったから、と腕枕をしてくれている右腕に左手を絡める。
「ん、じゃあ支度したら出るか」
その前に、と胸を弄んでいた手が布団の中に入り込んだ。