第3章 Love
side.名前
「あら?名前ちゃん、研磨は?」
「部屋に…行っちゃった…」
「珍しい。喧嘩でもしてるの?」
「理由は分かんない…。けど…研磨は怒ってる」
怒ってなければ、研磨はあんな事しない。
ヤバい。
泣きそう。
「いつものことでしょ?そんな顔してないで話してきたら?」
「……うん…」
おばさんに背中を押されて、研磨の部屋を訪ねる。
電気もつけず、研磨はお布団の中に閉じこもっていた。
「…研磨?」
「………」
「ごめんね?私…何かした?」
布団に包まっている研磨に近付く。
「…違う…。名前のせいだけど…名前のせいじゃない…」
「何それ?どっち?」
説明してくれないと分からないよ。
ねえ?
何で私の手を振り払ったの?