第3章 Love
side.名前
研磨に強請られて何度もキスをする。
私にとって、研磨はいつだって特別な存在だった。
だからかな?
こんな事をしても、全然嫌じゃない。
むしろ嬉しいの。
「研磨」
「何?」
「私も研磨のこと好きなのかな?」
その好きは、他の友達やクロに向けるものとは違う。
恋愛的な意味。
「名前は俺以外とキスしたい?」
「したくない」
嫌だよ。
研磨としか考えられない。
「じゃあ、きっと俺と一緒の好きだね」
目を細めて嬉しそうに笑う研磨にドキッとする。
そっか。
このドキッていうのが恋なんだ。
漸く腑に落ちた。
「研磨?」
「ん?」
「もう二度と私の手振り払ったりしないで」
「うん。ごめん」
「すごく悲しかった」
「そうだよね。俺が名前だったら立ち直れないかも」
「今度やったら研磨のゲーム全部捨てるからね」
「うん。絶対しない」
手を絡ませて、もう一度触れるだけのキスをした。