第8章 **08
金で縁どられた美しい花柄のティーカップに、香りの良い紅茶が注がれていく。
色も澄んだライトブラウン。
柑橘のベルガモットの香りが何とも堪らない。
落ち着く香りが部屋を満たしていく。
「さぁ、どうぞ」
「ありがとうございます。いただきます」
カップとソーサを持ち上げ、一口口に含めば爽やかな柑橘のベルガモットの香りが広がった。
(うわぁ···美味し!)
ここまで香りが高いアールグレイを飲んだのは初めてかもしれない。
「ふふ、気に入ってくれたようね」
「このお茶、とても美味しいです!······あ、すみません。つい」
やや興奮気味に返事をしてしまって、ハッとして謝罪をすれば「いいのよ」と返された。
「さぁ、是非お菓子も食べて。気合いを入れたから、今日のは自信作なのよ?」
「いただきます」