第8章 **08
アンティーク調のとテーブルの上には、エリス様お手製のお菓子が並べられていく。
クッキーに、シフォンケーキ、薔薇のジャムを使ったゼリーやカラフルなマカロン。
先程夕食を頂いた後だと言うのに、プロ顔負けのお菓子が並ぶとつい食べたくなってしまう。
「ベアトリーチェのお好きなお茶は何かしら?ダージリン?オレンジペコ?、アールグレイに··ハーブティー?それともフルーツティーに、どんなお茶が好きなのかしら」
エリス様は私が好きな物を知ろうとしてくれているのが、よくわかった。
お茶を進めるエリス様は何だかとても楽しそう。
「遠慮なく言ってちょうだいね」と私の返答を待ってくれている。
公爵家が商人からお取り寄せしているであろうお茶だ。
美味しくない筈は無いのはわかっているけれど、私もお茶が好きだから正直迷ってしまう。
どれも魅力的なお茶の種類だ。
けれど、ここは···私の好きなお茶を伝えよう。
「アールグレイを、お願いいたします」
「アールグレイ、いいわねぇ。甘いお菓子にもピッタリだし、ベルガモットと紅茶の風味が堪らないのよね。アールグレイを」
「はい、奥様」