第3章 摂津のきり丸の場合。
約1ヶ月半。
毎日バイトをしていたきり丸は、稼いだお金を片手に家を出ることにした。
おじさんもおばさんも少し悲しそうにしている。
もちろん尾形もきり丸を止めるがきり丸には固い意思がある。
『やだよきり丸…せっかく仲良くなれたのに…』
「尾形。俺達はまだまだ子どもだけど、それぞれの将来に向かってやらなくちゃいけないことがあるんだ。
俺が尾形を守れるくらいになって、お金も沢山稼いだ時にはお前を迎えに行くから。」
『…うん』
尾形が掴んでいた腕を離す。きり丸は最後にお礼を言って、出ていってしまった。
それから約7年が経って今に至る。