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忍び逢い【忍たま/短編集】
第3章 摂津のきり丸の場合。
まだ2人の前を燃え続ける炎は消えることを知らない。
少女も家にいる母親がもう助からないことは知っている。数日後には最後の記憶に残っている母親とはまるで違う姿で再開することになるだろう。
「なぁ、ここ、危ないから避難しよう」
『やだ…いやだ』
「お前も死んじまうよ。」
『いい。私も母上のところに行く。』
きり丸は少し意地になって少女を強く引っ張る。
少女め負けじと抵抗する。
『あなたのお母さんのところに行けばいいじゃない!!』
「…俺の家族も死んだよ」
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