第2章 善法寺伊作の場合。
「なんだ、伊作の勘違いか」
『あ、留三郎。いたんだ。
まぁ色っていったら色だけど、本格的な色の実習はまだまだ先だから安心して』
何が安心できるのだろう。と伊作は思ったがそれは言わないことにした。
しかしまだ不安そうな顔をしている伊作に尾形はニヤニヤして、伊作が持っていた知恵の輪を奪った。
「あ!返してよ!」
『やだね〜、これをこーしてっと』
尾形はいとも簡単に知恵の輪を外すと、伊作に渡して『これであんた宿題終わったじゃん。』というと伊作は焦って知恵の輪を戻すように言った。
宿題は自分でするものであって他の人にさせると風呂掃除が待っている。