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忍び逢い【忍たま/短編集】
第1章 山田利吉の場合。
夜になれば再び城主から呼ばれ盃を交わした。
すぐに酒を飲んで出ようとすると、城主がなかなか返してくれなかった。
もうとっくに尾形の部屋に向かう時間は過ぎていて、城主はまるで利吉達の関係を知っているかのように頑なに返してくれなかった。
戦は明日だと言うのに城主はお酒を飲み続け利吉にもどんどんついで飲ませようとしていた。
そして城主は利吉を鋭い目で見つめ口を開いた。
「…忍者である君もまだまだだな」
「…」
この言葉がなんの意味かは分かっていたが、知らないフリをした。
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