第1章 山田利吉の場合。
『お父上聞いてください。昨日は私が寝落ちをして利吉さんが…』
「お前は黙っておれ!!そもそもお前もなぜこいつにおにぎりを振る舞う必要があった!それにまだ会って1日もたってない男の前で寝るなど気がしれん!」
昨日の城主とは打って変わって鬼の表情で利吉を見ている。
尾形は半泣きになりながらも城主を説得させようとするが聞く耳を持っていない。
「いいか、今後一切尾形と会うこと、話すことを禁ずる」
「…」
尾形は再び城主に伝えていたが、城主は彼女を突き飛ばしてどこかへ行ってしまった。
利吉は何も言わずに部屋を出ていった。