第5章 鉢屋三郎の場合。
「ね〜!今鉢屋三郎くんと話してたでしょ〜!羨ましい〜!」
『うわ、いたの?びっくりした。
話すもなにも、これは会話に入らないでしょ』
どこから出てきたのかいつの間にか尾形の隣にいて友人はキャッキャッとしていた。
そんな様子を見て尾形は乾いた笑いを漏らせば「あ、そうそう」と話を続けた。
「今度学園長の突然の思いつきで、5年生みんなで肝試しするんだって」
『なにそれ、忍術関係ないじゃん。』
「なんか、プロの忍者になった時に心霊現象が多いところにも任務が入る時あるからその時のための実習的なやつだって」
『とか言ってるけど学園長の事だから絶対に裏がある。』
聞けば2日後に実行らしく、尾形は憂鬱な気持ちで溢れていた。