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パパはラジオスター(ハズビンホテル)

第7章 第六章


確か彼は元上級悪魔で、あいつに捕まってからは降格になったものの腕はかなりたつ。

あいつに捕まったのだって、彼のおっちょこちょいが原因なだけだしね。






「アーロン、知ってるとは思うけどあいつはもういないから……貴方の自由に過ごしてもいいんだよ?」

「何度も言わせないでくれよお姫さん、俺は好きでお姫さんについてんだぜ?甲斐甲斐しく世話してくれたお姫さんに、この身も魂も全部捧げたんだ」

「……ありがとう、アーロン」

「礼を言うのは俺の方さ。たまには顔を見せてくれよ?腹は減らないが心が減るんでな、お姫さんの顔を見りゃ満たされるってもんよ」

「あははっ何それ!」

「それよりお姫さん、そろそろパパさんが起きちまう時間じゃないかい?」




アーロンにそう言われ、時計を見ると確かにいつもパパを起こしに行っている時間だ。

さすがはアーロン、何でも見えてるんだな。




「ほんとだ、そろそろ戻らないと!流石アーロン、何でも見通せるんだね」

「まあ、俺の能力の一つでもあるからな。また顔出してくれよお姫さん、その間俺も睡眠をしっかり摂るよう心掛けるさ」

「うん、あいつに捕まった時も睡眠不足が原因だったしね……本当に気を付けてね?」

「嗚呼、もう二度とそんなへまはしないさ。前までは俺が眠っている間、お姫さんを守ることが出来ないって心配だったが……これからは大丈夫そうだな」

「大丈夫だよ、その時は自分で何とかするから。それにここには、守りたい人たちが沢山いるからね……一度お家にカラクリ達を取りに戻りたいんだけど、今はまだ難しそうだから」

「そのようだな、まあ戻るって時には声をかけてくれ。安全にお姫さんを自宅まで届けるからな」

「ありがとうアーロン、頼りにしてるね!じゃあお休み!」





よいしょと地面に戻って行くアーロンを見届けてから、私もパパを起こしにホテルへと戻った。

パパやみんなを守れるように、もっと頑張らなくちゃね!






「……しっかし、お姫さんも厄介なやつに気に入られたもんだ。お姫さんは気付いていなかったみたいだが、さっきからずっとお姫さんと俺を部屋から見てやがったしな。嗚呼厄介厄介」
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