第5章 第四章
アラスターSIDE
ゴレアの頭を撫で、そっと抱き上げる。
不思議そうな顔をして私を見るゴレアに小さくキスをしてから、そっと立ち上がる。
「パパ……?」
『いい子だゴレア、汗をかいてしまいましたね。パパとお風呂に入りましょう』
「え……パパと?」
『何も恥ずかしがることありませんよ、それともパパと入るのは嫌ですか?』
「ううん……パパと入っていいなら入る!」
室内に設けた浴室へゴレアを連れていき、服を脱ぐゴレアを見ていると、違和感を覚えた。
ゴレアの身体に服とは別の何かが巻き付けられるようにして取り付けられている……これはなんだ?
そういえばゴレアを抱き上げるとき、身体に異様な固さを感じていたが……まさかこれが原因なのか?
『ゴレア、それは?』
「これ?カラクリだよ!」
『何故そんなものを身体につけているんですか?』
「……前のパパ、マッドサイエンティストだったんだけど色んな悪魔を実験台にしてたの。その影響で相当恨みを買ってたみたいで、私もよく狙われてたんだ」
『……ゴレア』
「これにはね、色んなカラクリが仕込んであるの!ちょっと重いけどいつ襲われるか分からないから付けてるんだ。パパにだけ、ちょっと見せてあげるね!」
そう言ってゴレアは、ぱちんと小さく指を鳴らした。
その途端ゴレアの周りに円状の光が出現し、足元に何か小さい生き物が飛び出してきた。
『……ウサギ、ですか?』
「うん、カラクリラビンっていうんだよ!ツギハギのウサギさんって感じがして可愛いでしょ?この子は相手の身体を引き裂いて、引き裂いた部位を使って武器を作るのが得意なんだよ!」
ギギギッと機械音を放ちながら、ゴレアを守るようにして、手に持っている小さなハンマーを私へと向けてくるウサギ。
とてもそんな事をするようには見えませんが、見た目に反して恐ろしい事をするんですね。
「パパとホテルのみんなは、私の大事な家族だから攻撃しちゃダメだよ?みんなの事を守ってあげてね?」