第4章 第三章
『すっかり遅くなってしまいましたね、そろそろ帰りましょう』
お土産にと、ゴレアが好きそうな本を手にホテルへと戻る。
今日は一人で本を読んでいたのか、ホテルのロビーにあるソファーの上でちょこんと座るゴレアに声をかける。
『ゴレア、帰りましたよ』
「あ、パパお帰りなさい!」
ぱっと本から顔を上げ、嬉しそうに駆け寄ってくるゴレアを抱きしめる。
小さくて暖かい記子の身体は、どこを触れても柔らかい。
ゴレアを抱き上げ、先程まで彼女が座っていたソファーへと腰を下ろす。
『いい子にしてましたか?』
「うん!今日はここでパパの帰りを待ってたの!」
嬉しそうにニコニコと笑いながら、ゴレアは楽しそうに話す。
可愛らしい事をするものだと思いながらも、頭を撫でて彼女が読んでいた本を持ち上げる。
『流石ゴレアですね、もう半分以上も読んでしまうとは』
「だってパパの買ってくれた本、どれも面白いんだもん!」
『それは良かった、今日はまた新しいのを買ってきましたよ』
「わぁいありがとうパパ!大事に読むね!」
無邪気に笑って私に抱きつくゴレアを受け止めながら、じくじくとする身体を必死に抑える。
「パパ……?」
『っ……どうかしましたか?』
「パパ、大丈夫?何だか苦しそう……」
『っ……大丈夫ですよ、ゴレアはいい子ですねぇ』