第3章 【裏】同室の情事
しかし、意外なくらいあっけなくエルヴィンのレイへの想いは一方通行で終わった。
レイがリヴァイに熱烈な告白をし、二人の熱い恋は始まりを告げてしまったのだ。
「悪いな、エルヴィン」
勝ち誇ったように言うリヴァイに腹が立たないと言えば嘘になるが、今まで人に恋などしたこともなかったようなリヴァイが、こんなに人を愛するようになるものかとそれはそれで見ものでもあった。
人並みにデートをしたり、食堂で一緒に食事をとったり…
初めの頃は、レイがリヴァイにぞっこんなのだろうと思っていたが、
エルヴィンの目から見れば、どう見てもリヴァイの方がぞっこんだとわかる。
付き合いが始まってしばらく経つというのに、
いつもレイがいれば目で追っているし、レイの壁外遠征があればなんだかんだと理由をつけて100%ついてくる。
いつ何があっても、そばに自分がいればレイの命を助けることができるからだろう。
そして、エルヴィンは気づいていた。
危険を伴う任務の前夜には、必ずと言って良いほどリヴァイは殺気立ち、全身で沸騰しそうな血を鎮めるためにも、必ず激しくレイを抱いていることを。
作戦を告げたあとのリヴァイを見ていればわかった。
今にもレイに噛みつきそうな目をして、自分を押さえつけている。
そして、その日の訓練が終わると真っ先にレイの部屋へと向かう。そして幹部棟へと戻ってくるリヴァイを見れば、どれほど激しくレイを抱いたのか、想像もしたくないほどに、身体じゅうから熱気を放ちながら戻ってくるのだった。