第3章 【裏】同室の情事
リヴァイは明日の戦闘に向けて気が立っていた。
地下街で生まれ、物心ついた頃から闘うことが人生の一部であったリヴァイ。
激しい戦闘が予想される日の前日などには、その血が騒ぎさっき立つ。
そしてその有り出るエネルギーを放出しなければ全身の血が沸騰してしまいそうな感覚に襲われるのだ。
以前、伯父であるケニーも似たようなことを言っていた。
「くっそ…
さすがにレイを呼ぶのはねぇか…」
兵団内でも公然の秘密となっているリヴァイとレイの関係。
普段団員の前でイチャつくことなどは一切ないし、改めてレイはリヴァイの恋人なのかと誰かに聞かれたこともないが、
リヴァイとレイは恋人同士であった。
兵団に入ってきたその日、挨拶をするために皆の前に立ったレイを見た瞬間、時が止まったような感覚に襲われたリヴァイ。
美しいだけでなく努力家。
それでいて泣き虫なところやどこか天然ボケしたところもあり、リヴァイはあっと言う間にレイのことが好きになってしまった。
今まで特定の女性と関係を持ったり、ましてや気にかけたりすることなど一度もなかったリヴァイが、レイに関しては別人のようになった。
あまりの美しさに、多くの兵団員がレイの虜になった。
バカ丸出しな男同士の会話では、いつもレイの名前が上がっていた。
「やべーなぁレイちゃん。
今日髪の毛アップにしててすげー可愛かった」
「レイがアニと格闘訓練だってよ!
うぉぉ〜2人のキャットファイト、想像しただけで勃ちそう…」
「レイっておっぱいも尻もぷりっぷりだよな…
でへへ…」
こんなバカ丸出しの会話を耳にするたびに、その団員をボコボコにして
「くだらねぇこと言ってると、削ぐぞ」
と脅した。
「レイの話をすれば兵長にボコボコにされる」
という噂はいつしかレイ本人にも伝わった。
あくまでもそれらはリヴァイにとっては単なる自己満足であり、かなり変わった愛情表現でもあったが、
レイにとっては自分を守ってくれる騎士か何かのように感じたようだ。