第2章 【裏】怪我後の身体調査 1
レイ
「で…ですけど、私、こうゆうの初めてで…」
リヴァイ
「お前…初めてか?」
恥ずかしそうにコクっと頷くレイ。
そのぎこちない感じからして、もしかするとと思ってはいたが、
そうだと改めて聞くと、なんとも言えない高揚感に包まれた。
元々リヴァイは相手が処女かどうかはいっさい気にしない。
むしろ、相手に必要以上に気持ちを持たれても面倒なので、そうでない方が気が楽だと思ってきた方だ。
しかし今回は明らかに違った。
この身体に男として触れたことのあるやつはいない…そう考えるだけで胸が高鳴る思いがした。
優しくしなければ、という気持ちと、手荒にしてもう自分以外とはできないようにしてやりたいという気持ちとが入り混じる。
急にレイが自分自身を抱きしめるように、手をクロスして反対側の二の腕をぎゅっと掴んだ。
さながら自分の上半身を腕で隠しながら身を守るようなそぶりだ。
そしておずおずと言った。
「それに私、子どもみたいな身体だから…
きっとリヴァイ兵長に、ドキドキしてなんかいただけないし…」
「あぁ?」
わけがわからず、眉間に皺を寄せながらリヴァイは聞き返した。
そう。
レイは、先ほどのハンジが描いた生々しいレイの裸体スケッチをリヴァイが見た時のことを言っていたのだ。
眉ひとつ、顔色ひとつ変えずにその場を立ち去ったのをみて、レイは即座に
「私が子どもっぽいから、リヴァイのような大人はそれをみて驚きなどしなかったのだ」
と思っていたのだった。
公衆浴場のような文化の無い壁内では、女性同士が互いに裸になるような施設もない。
だから、自分自身の身体つきが大人っぽいかどうかなど、特に温室育ちで世間知らずのレイは皆目検討がつかないのだ。