第2章 【裏】怪我後の身体調査 1
ハンジの身体調査が終わり、自室へと戻ったレイは、ほんの少しだけ胸が痛むのを感じていた。
スケッチを見られた恥ずかしさは途方もないが、そのようなスケッチを目にしたリヴァイが、顔色ひとつ変えなかったこと、そしてレイがまるでそこに存在しないかのように振る舞ったことにレイの心はチクリと痛んでいたのだ。
初めて戦闘シーンを見た時から密かに憧れていたリヴァイ。
レイよりもずっと年上で、喜怒哀楽の感情の中でも「怒」か、そうでなければ「無」くらいしか感じられないリヴァイ。
それでもたまにリヴァイ班のペトラやオルオから伝え聞く仲間想いの一面などの話を聞いては、いつかちゃんと話ができたら、と考えていた。
レイは
「まぁ、兵長からしたら私なんて子どもっぽいのかな」
リヴァイはレイより年上だ。
あまりお兄さん、という感じもしないが、ひとたび戦闘となれば誰もがリヴァイを頼る。
あのエルヴィン団長ですら、リヴァイへの絶大な信頼が垣間見られる。