第2章 【裏】怪我後の身体調査 1
レイはリヴァイに会うこともできず追い返され、お礼を言う機会を持てずにいる。
「ハンジさーん、
リヴァイ兵長にお礼も言えませんでした…」
と残念そうに漏らした。
「んじゃー私がリヴァイ呼び出してあげようか?
アイツ壁外調査が消化不良のまま終わって、エネルギーもて余してるだろ」
とハンジ。
「わわわわ、ハンジさん、まさか兵長を呼び出すなんてやめてください!!」
慌てるレイをよそに、ハンジはすぐにモブリットを呼び出すと
「ちょっと、リヴァイを呼んできてくれないか?」
と頼む。
モブリットは
「了解。
…でも、兵長を呼びにいっても、いつも”用があるなたテメーが来い、クソメガネ”って、言われますけど…」
するとハンジはヘラっと笑って
「まーそれもそうだな。
ごめんねーレイ、役に立てそうにないよ」
モブリット
「まぁ、とりあえず万に一つ、と言う可能性もあるから行ってみますよ」
と言ってその場を後にした。
モブリットがリヴァイの部屋の前まで来ると、ちょうどリヴァイが何か書類を探していた。
「リヴァイ兵長、ハンジ分隊長が来てほしいと…」
すこし語尾に自信がなさそうな話し方をしたモブリット。
「あ?」
眉間にしわを寄せてモブリットを見やるリヴァイをみて、
「リヴァイ兵長のこの表情、何度みても緊張するなぁ…」
と心の中で呟く。
するとリヴァイは意外にも
「あぁ、ハンジか。俺もあのメガネに用があって行こうと思っていたところだ。書類が見つかったら向かう。」
と答えた。
そして続いて
「モブリット。俺が行くだの行かねーだの、ハンジへのくだらねぇ報告はいいから、ちょっと頼まれてくれねーか」
と言って、所用を依頼する。
リヴァイから所用を頼まれたこともあり、モブリットはすっかりハンジへの報告を忘れてしまっていた。
一方のリヴァイは、ハンジの部屋へと歩き出した。
ハンジに会ったからと言ってレイの情報が何か得られるわけでもないが、このまま何もなくこの一件が過ぎ去るのも嫌だったのだ。