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依々恋々 -Another story-

第35章 Swim wear


電話から戻ったローが、怪訝そうにする。
「お前、それ、暑くないのか?」
え?と見上げたジウは、サングラスを掛けている。
長過ぎる袖を捲り上げ、開きすぎないようにボタンを留めて裾を腰のあたりで結んでいるシャツ。
ジウとサナが遊んでいた浜辺の水溜に入り込んだカニや小魚を救出しているサングラスとシャツの持ち主の灼けた背を見る。

「ジウちゃんナンパにあって、怒ったシャンクスさんが『絶対に脱ぐな。脱いだらキスマーク増やす』って着せられてるの」
クスクスとおかしそうに笑うサナ。
暑さで開けている襟から覗く鎖骨の辺りのキスマークに、男物のシャツを着せるという手があったか、とシアーパーカーを着ているサナを見る。
いそいそとシャツを脱ぐロー。
「私にはこれがあるもーん」
左手の指輪をヒラヒラとさせて笑うサナに、あまり効力が発揮されてるところを見たことがないんだよな、とローはため息をついた。

生き物のいなくなった水溜を足で埋めるシャンクスにジウが声を掛けようとした時だった。

「お」
ニヤリ、と笑うローがジウを見下ろす。
サングラスを掛けた目元が日光に反射しているジウを、心配そうに見上げるサナ。

シャンクスに話しかける二人の女性。
二、三言話すと、手を伸ばした女性から後退り、ヒラヒラと手を振って駆けてくる。
「ん?なんだ?」
ニヤニヤしてるローに気づいて首を傾げる。
「おモテになりますねぇ」
チラ、と横を見たサナ。その先のジウに、どうした?とシャンクスが手を伸ばすが、プイ、と顔を背けられキョトンとする。

「ジウ?」
どうしたというのだ、とローとサナを見やる。
ん、と目線で声をかけてきた二人を差したローに、まさか、とジウの隣に腰を下ろす。
「ヤキモチ焼いてるのか!?」
「っちがう、もん」
抱えた膝に顔を埋めるジウを、ニヤける顔を隠しもせず抱きしめる。
「ジウがヤキモチ焼いた!」
かわいいな〜!と嬉しそうなシャンクスは、ニコニコしながらジウの髪を撫でる。

「っ焼いてないっ」
「そうかぁ、違うのかぁ。残念だ」
シャンクスから目を逸らすサングラスの下で赤くなったジウの頬を撫でた。
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