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依々恋々 -Another story-

第35章 Swim wear



 シャンクス宅の寝室。

(うっわ...)
思ったよりも、と新しい水着を着た自分を鏡に写して悩む。
「腕、上げられないなぁ」
脇は処理済みだからいいとして、と身頃側を押さえる。
選んだワンピース型の水着は、両サイドが上から下に編み下げになっていて肌が露出している。腰に巻いて結んだ先がくびれを引き立たせてスタイルよく見えるようにはなっているが、腕を上げると脇から腰を一筋、露出したようになる。
そして、ホルターネックタイプの首周りから鎖骨下にかけてはシアーレースで長めのパレオを巻くとチャイナドレスを思わせるようなデザイン。

「パレオがあるから、まだいいか...」
袖がレース素材のシャツにカプリパンツを履くと、閉めていたドアをノックされる。
相変わらず、ノックの意味はあるのか?と問いたくなる間合いでドアを開いたシャンクスは、腕をまくりあげた白の綿シャツにズアーブシルエットのパンツを着ている。
「水着、向こうで着替えるのか?」
「下に着てるの。ねえ、それ水着?」
いいや、と言って、ウエストゴムをめくる。
「一応下に履いてる。麻だから、濡れても構わんけどな」
変か?と首を傾げる彼に、ううん、と首を振る。

(麻のワイドパンツという手があったか)
それなら透けにくいしシルエットも柔らかくてよかったかも、と自分の姿を見下ろす。
顔をあげると、じっと見つめるブルー・グレイの瞳に気づき、なに?と問いかける。

「ビキニか?」
「違いますぅ」
どうせまた誂うようなことを言うのだろう、と答えると、ならいい、と少し安堵したような笑み。

「ビキニ、嫌い?」
「俺ひとり見る分にはいいが、他に野郎がいるところで着られるとちょっと、な」
中に折れていたジウのシャツの襟を整えてやり、呆けた唇にちぅ、と一度だけ触れる。

「下着と変わらんような格好のジウを晒すのは、本意じゃない」

似合うとは思うがな、と腰を抱き寄せて頬を撫でるシャンクスの瞳に、白のシャツから少し透けて見える赤の水着よりも赤くなったジウが写っていた。
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