第35章 Swim wear
特設コーナーに並ぶハンガーラックから一組取る。
ジウの手にある水着に、サナが言う。
「んー、可愛いけど可愛すぎない?」
「だよね」
ワンピースタイプのオレンジのそれをラックに戻す。
「シャンクスさんの好みは聞かなかったの?」
「『ジウが着るならどんなやつでも見たい』とのことです」
なんの参考にもなりやしない、と呆れ声でハンガーをめくるジウ。
「色々指定してくるローのほうがマシな気がしてきた」
「探すの大変だけどね」
そういいながらも嬉しそうにするサナは、可愛い、と一枚取った水着を、お腹見えちゃうからだめかぁ、とラックに戻す。
「ビキニ、タンキニだめ。背中が大きく開くもの、ハイレグ、ホルターネックだめで色は黒指定って...スクール水着でよくない?」
きっと似合うよ、と呆れた声でスクール水着のコーナーを指差すジウに、サナが怒った。
「いやよっ!ただでさえ童顔なのにっ」
ジウちゃん、ひどい!とむくれたサナに、ごめん、と謝る。
「あ、コレどう?」
黒で裾がフリルになったワンピースタイプの水着をサナにあてる。
片手に持って体に当てたまま、姿見の方を向かせたサナの亜麻色の髪をまとめ上げる。
「黒の大きめのリボンが付いたやつでポニテしたらめちゃくちゃかわいいよ」
ローの好みっぽい、と頷く。
「確かに、ローくん、こんな感じが好きかも」
「背中もそう開いてないし、気になるならラッシュガード羽織ってもかわいい」
えっと、とそれらが並ぶラックから、白いシアー生地のパーカータイプを選ぶ。ハンガーの水着に羽織らせ、いい感じ、と頷く。
「ちょっと透ける感じがセクシーでいいと思う」
コレにする!と受け取ったサナに、良かったね、と笑う。
「じゃあ、次はジウちゃんのね」
シャンクスさんの好みってどんなのかな、と視線を巡らせる。
「下着の好みとか指定されない?」
「んー?明確にはされてないけど...赤だとちょっと嬉しそう、かも?」
そうなんだ、と笑うサナがうーん、とジウを眺めて首を傾げる。
「なに?」
「なんか、サプライズ的に驚かせたいな、と」
サプライズ?と怪訝そうなジウの手を取り、水着コーナーを離れた。