第34章 comming soon...?
診療の精算を済ませ、車まで向かう姿を見上げる。
「あの、気を悪くしたならごめんなさい」
ちら、と見下ろし、気にするな、と頭を撫でられる。
「まさか、マルコよりも年上だと思われたとはな」
「や、あのっマルコ先生、見た目すごく若々しかったしっ、なんかっその」
すいません、としおらしく俯く。
シャンクスのことを「がきんちょ」と言ったマルコに違和感を覚えたジウ。
マルコがニューゲート市長を慕っており、彼の旧知の仲であるシャンクスとも顔馴染であること。市長は彼の親代わりだった人物とも交流が深かったことを聞き、自分とシャンクスの間くらいの歳だと思っていたマルコが彼よりも6つも年上だと知ったジウの反応に、シャンクスは苦笑いをした。
「若いって言ったって、もう30代だしな」
RedForceの仲間たちでも年下はルゥだけで、身近な人で他に思いつくのはそれこそローくらいだ。
「まあ、落ち着くにはいい年ごろなのかもな」
頷くシャンクスに握られた手。
あのっ、と顔を跳ね上げたジウ。
「シャン、年末は、忙しい?」
「年末?」
そう言えば、もうそんな時期か、と考える。
「特になにかあるわけじゃないが、」
秋の決算期後の12月初旬に賞与支給日を設定しているREDForceでは、それさえ過ぎればあとは仕事納めを待つのみの時期。
旅行にでも行きたいのだろうか、とジウの髪を撫でていたシャンクス。
「あるとすれば、年が明けてからハウスに顔を出すくらいだが...なにかあるのか?」
「えっと、」
ふー、と深く息を吐くジウの言葉を待つ。
「実家に、帰ってみようかと、思ってて」
繋いだジウの手に力が籠もる。
「い、一緒に来るっ?」
「いいのか?」
「来て、欲しいの」
頷いたジウの頭を抱き寄せる。
「スーツがいいか」「普段着でいいよ」
緊張が緩んだ頬にキスをする。
黒絹の髪を抱き寄せ、色味を取り戻した唇に優しくキスをした。