第34章 comming soon...?
ううっ、と呻く背中を擦る。
「吐いたのか?」
少し俯いたジウ。
辛そうな呼吸。
発作か?となにか起爆になったものがあったかと頭をフル回転させる。
「うっぐ」
ジウが口を覆って震える。
「我慢するな、吐いちまった方が楽だ」
狭い背を手で撫でてやる。
幾度か嘔吐してぐったりとしている体を支える。
「体調、悪かったのか?」
熱は?と額や首に触れるが、高温ではない。
座るのも辛いのか、くたりと体を預けている。
少し血の気が引いていて、顔が青白い。
「ホンゴウを呼ぶ」
すでに出勤して医務室にいるはず、と立ち上がろうとすると、腕を掴んだジウが横に首を振る。
「ホンゴウは嫌か?直接、病院に行くか?」
また、横に首を振るジウを、どうして、と抱き支える。
「大丈夫、だ、い、じょうぶ、だから」
ん、と唇を噛んで立ち上がろうとしてふらついたジウの手が触れる場所に、一瞬で頭が高速でまわる。
「ジウ、最後、いつだ...?」
女性特有のそれが最後にあったのはいつだったろうか、と記憶を手繰り寄せる。
その症状が出るのは大体2,3ヶ月頃からだと記憶している。
今日、症状が出ててもおかしくはないのか?と充分な知識のない頭では判断がつかない。
「今月、来て、ない」
唇を噛んで目を泳がせるジウ。
しん、と消えた部屋の音。
少し震えているジウの肩を抱き寄せる。
「白鯨総合病院でいいか?」
知り合いがいる、と顔を覗き込む。
青白い顔で小さく頷いたジウを落ち着かせるためか、うるさい心臓を抱えて、今にも叫び出してしまいそうな自分を宥めるためか。
大丈夫、大丈夫だ、と二回繰り返し、立ち上がれそうにないジウを抱き上げ、リビングのソファに寝かせると、個人的に知っている白鯨総合病院の医師に連絡を取った。