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依々恋々 -Another story-

第34章 comming soon...?




鳴り続けるアラームに、んんっと顔を顰めて手を伸ばす。
短めの電子音は、自分の使う機種にはない音。

Pipipipipipipi Pipipipipipipi

繰り返させれるアラーム音に、不機嫌に片目を開ける。
光る画面を操作して音を止め、所有者である恋人を呼ぶ。

「ジウ〜」

世間一般には平日だが、休日である彼女はアラームより先に起きたのだろうか。
呼びかけに返事がなく、起き上がって裸の腹を掻く。

「ジウ?」
珍しく開けっ放しの扉の先。
いつもならば、リビングの方あるはずの気配や調理の音がなく、ベッドから飛び降りた。

「ジウ?」
開いた扉の先のリビングダイニングにも、キッチンにも気配がない。
出かけたのか?と部屋を見回すが、昨日と同じ位置にある鞄とベッドに置きっぱなしのスマホに首を傾げる。
シン、とした部屋。
水が流れる音が聞こえて、振り返った。
一度、寝室に戻って下着だけ身につけると、閉じられた扉をノックする。

「ジウ?」

返事がなく、気のせいか?と首を傾げた時。

かすかに、それでも確かにくぐもった苦しげな声が聞こえた。

「ジウ、いるのか?」
コンコン、とノックをして耳を澄ます。
咽るような声がした後、なんでもない、と言った声はしゃがれていて、開けるぞ、とドアノブに手をかけた。

「なんでもないからっ大丈夫!」
押戸のそれをバン、と押さえつけられ、顔を顰める。
「おい、」
「大丈夫、ちょっと紅茶で噎せただけっ」
再び聞こえた苦しげな声に、声が低くなる。

「開けろ、ジウ」

返事がない。
が、ゲホ、と咽た声が聞こえた。

「開けないなら、力ずくで行くぞ」

手にかけたドアノブを少し強く押すと、背を預けたのか抵抗がある。

「ジウ」
「ちょっと待ってて...すぐ収まるから、だから」

込み上げるものに耐えきれず、明らかになにかを吐き出した声に、扉を明け開いた。

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