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依々恋々 -Another story-

第27章 ふたり



「レイリーさんって...割とプレイボーイ?」
「割と、というか生粋の、だな」

おお、と感嘆したような声を出すジウに、シャンクスは、まあそういうことだ、と頷いた。
「...お元気で何よりです」
ジウの言葉にケタケタと笑うシャンクス。
「なんか...すっごい秘密を知っちゃった気分」
「秘密ではないなぁ。シャクヤクさんは承知の上で一緒に住んでるし、ハウスのみんなは昔から知ってる」
「おモテになりそうですものね」
うわー、と感心する声を上げるジウは、ふとシャンクスに視線を止めた。

「どうした?」
手にしていた缶ビールの残りをすべて煽る。
「浮気の経験ある?」
「ッゲホ、」
噎せて、いたずらな目で見上げてくるジウを見下ろす。
「もしくはしてたりする?」
「そんなわけあるかっ!馬鹿言うなっ」
グシャ、と缶を左手で握り潰す。
「してたら合鍵なんか渡さないだろっ」
「過去にも?」
スッ、と目を逸らした横顔。

「いや、顔が語りすぎでしょ」
「っつ、付き合ってたかも曖昧な関係だったんだ!恋人ってよりも、その、セフレ、に、近い仲、ダッタノデ?」
「同時進行してたんだ?」
吶るシャンクスをクスクスと笑う。
「昔の話デスヨ」
ワァオ、ととおどけて笑うジウに、クソッ、と俯く。

「でも、ちゃんとお付き合いした方もいたんでしょ?」
「まあ、それなりに」
「たくさん恋を経験してるのね」
夕飯の片付けを終わらせたジウは、マグを片手にキッチンを出てリビングのローテーブルにつく。
「...どうかな。全て恋だったかと聞かれると」
ジウの隣に、片膝を立てて座る。

「じゃあ初恋のこと、覚えてる?」
「初恋、なぁ」
いつ頃だっだろうか、と遠に過ぎ去った記憶を手繰り寄せる。
あ、とシャンクスの脳裏に蘇った朧気な記憶。

「あの子も、黒髪だったな」
すっかり忘れていた記憶が次々に蘇り、微笑む。

「ああ、多分、あれが初恋だろうな」
「何か思い出した?」
微かな記憶に目を凝らしながら、シャンクスはわずかに口を開いた。
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