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依々恋々 -Another story-

第21章 Shopping



「ごめんね?」
「悪いと思ってるなら大人しく靴を買われとけ」

女物の靴は、とフロアガイドを見る長躯の腕に自分の腕を絡める。

「7cmの赤のハイヒールにしようかな」
「なんで7cmなんだ?」
知らない?と見上げる。
「7cmが一番脚がキレイに見えるって言われてるのよ」
「...7cm以外にしろ」
「なんでっ!?」
なんででも、と歩き出したシャンクスに手を引かれる。

赤のハイヒールをいくつか試着する。
「...それはやめとけ。もう少し軸がしっかりしたのにしろ。また折るぞ」
「そんな頻繁にヒール折ってるみたいな言い方しないでっ!」
履いている10cmのハイヒールを指して言うシャンクスに言い返す。
「やはり、身丈から見ても6〜8cmがおすすめですね」
「...だそうですよ」
「6か8。7以外だ」「もー!」
店員に言われても徹底して7cmヒールを履かせようとしないシャンクスは、陳列された靴から一足を手に取る。
「これ、彼女のサイズあるか?」
6cmヒールのパンプスを店員に渡す。
艷やかな黒のパンプス。
ソックとアウトソールが赤い。

「こちらになります」
箱から取り出すと、スツールに腰掛けたジウの足元に跪いて10cmのヒールを脱がせる。
新しいヒールを履かせ、立ってみろ、と手を取る。

軽くジウの腰を抱くと、姿見に映して、うん、と頷く。
「これがいい。いい感じだ」
キスしやすい、と頭頂部に一つ、唇を落とす。
「っすぐそういうことするっ」
「これ、履かせて帰る」
履いていた靴を包んでもらうと、いつものカードで会計する。
若い女性の店員が、本物のブラックカード初めて見た、と緊張した面持ちでレジを打つ。

包んでもらった靴を受け取り、新しい靴で歩き出す。
自然と、左手を繋がれる。

「貢ぎ癖、やめないと悪い女に利用されちゃうよ?」
「ジウ以外に買ってやる気はないから問題ない」
少し、手を繋ぎやすくなった身長差に、満足そうに笑う。
「これからヒールは6cmな」
「どんな指定よ」
二人の髪色を持った、足元で艶めく真新しいヒールに目を落とす。
「ふふっ」
どうした?と目線を寄越すシャンクスの腕に、何でもない、と笑って自分の腕を絡めて歩き出した。
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