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依々恋々 -Another story-

第41章 Call on



 ✜

「ってことがあったから褒めてくれ」
「はい?」

いつもの彼の部屋。
共に風呂上がりでドライヤーを当てていた頭を差し出すシャンクス。

(褒めろ、って)

まずはご所望通り褒めるか、とジウは風呂上がりで乾かしたての艶の増した赤い髪を撫でる。

「よくできました」
よしよし、と撫でられたシャンクスは、満足そうに、ニッと笑った。

「クレームとかじゃなくてよかったね」
「ああ、そうだな」
確かに、とおとなしく撫でられているシャンクスの髪に櫛を通す。
もし万が一、電話の相手が悪質なクレーマーで、上の者を出せ!と言われたらどうするつもりだったのか、とドライヤーのプラグを抜く。

「そんときゃぁ、適当なやつに投げる!」
「いいのそれ?ちなみに誰に?」

ベックかなぁ?と想像通りの答えを返したシャンクスにクスクスと笑う。


「いいなぁ」
ふふ、と笑うジウに、なにがだ?と問う。

「ちょっと聞いてみたいな、と思ったの。
 シャンの、よそ行き?こう...事務的な?折衝とか接遇をしてる感じを」
そんなことを?とラグの上であぐらを組んで不思議そうにしているシャンクスの背中に、後方のソファのから抱きつく。

「意外と電話かかってくるってこと無いじゃない?」
「事務連絡はほぼ、チャットだからなあ」
携帯を手に取り、そう言えば最近電話しないなぁ、と弄る。

「打ち合わせはだいたい秘書課でやってくれるし」
「あ、やっぱり秘書さんっているんだ」
こんな感じ?とバインダーを持ってめがねを正す仕草を見せたジウ。

「シャンの眼鏡って伊達?度付き?」
「ブルーライトカットのやつだ」
度は入ってない、と今は書斎に置かれている眼鏡。
「目、いいんだ」
「まぁな。あ、ヤソップとベックはたまに老眼鏡かけてる」
「そうなの?」
「2人とも、もうアラフォーだしな」
ケタケタ笑うシャンクス。

「ヤソップが8つ上で、ベックとは一回り違うからな」
「えっ!?ベックさん、そんなに年上っ!?」
衝撃、と目を見開くジウにずいと顔を寄せる。

「んー?それはどっちのビックリなんだよ」
「っみんな若く見えるなってびっくり!」

ふぅん、と目を細めたシャンクス。
「悪い意味じゃないよぉ」
ごめんね、と頬にキスをしようとした唇は、彼のそれに塞がれた。

        end
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