第40章 Welcome. sofa,
「んー、もう少し高さが欲しいな」
ローテーブルがそこら辺だろ、と指差す。
「座るんじゃなくて寝るの?」
おかしそうに笑うジウに、店員が提案した。
「横になられることも多いならば、ソファベッドというのも有りかと。
リビングに置かれる予定とのことなので、ベッドモードにできるスペースの確保が必要にはなりますが...」
見せられたタブレットに並ぶのは、先ほどとは別のラインナップ。
「シャン、お酒飲んだらソファで寝ちゃう時あるから、いいかもよ?」
見てみる?と言うジウの膝から起き上がる。
電動で背もたれを倒してベッドになるタイプと、オットマンなどを組み合わせてベッドになるタイプ。
「組み合わせタイプの利点は、一部だけをベッドタイプに変えられる点と、ソファとオットマン、それぞれで使うことができる点です。
電動タイプは、スイッチひとつで動かせる点と、角度調整できるものが多いのが利点ですね」
どうするかな、と髭の残る顎を撫でるシャンクス。
「みんなでお酒飲む時に、オットマンをスツール代わりにできるのはいいかもね」
ジウの言葉に、そうだな、と頷き、組み合わせタイプのバリエーションを確認する。
「スツールが動かせるなら、配置変えるか」
ソファから立ち上がって対面して立つと、テレビ前のローテーブルを少し前に出して、と頭の中で模様替えを始めたシャンクス。
「それか書斎のと入れ替えるか...?」
リビングのローテーブルはガラス天板のもので、比較的重い。
あっちとこっちと、と考えるシャンクスの真剣な横顔を見上げた。
✜
レジに表示された総額を特に確認もせず、いつものカードで支払いを済ませたシャンクスは、家具店を出ると空を見上げて、
いい天気だ、と晴れ渡った青空に嬉しそうに笑った。
「じゃあ、デートするか」
「じゃあ、にかかる事柄が見つからないんだけど」
「せっかくだからデートしようか?」
言い直したシャンクスにくすくすと笑うと、指先を絡め取られる。
「どっかでランチする?」
「いいぞ。なに、食いたい?」
なにがいいかなぁ、と唇を撫でるジウ。
この辺りでならなぁ、とシャンクスが携帯を取り出す。
「和、洋、中、創作」
携帯を操作しながらの問いに、ジウは、和かなぁ?と答えた。
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