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依々恋々 -Another story-

第40章 Welcome. sofa,



「にっ」

引き攣った様な声で、シャンクスと並んで座っていたソファからサッと滑り降りる。

「すみません、すみません!
 あの、えっと、200万、200万ね、にひゃくまん...
 えっと、うーん...買い替えってなった場合、ぶ、分割とかしてます?
 できたら、えーっと、10万ずつ?とか...?」
手数料込みで、と必死に計算しだしたジウに、背凭れに片腕を掛けて、だっはっはっ!と大笑いするシャンクス。

「弁償しろ、なんか言ってないだろ」
真面目かっ!と左手の人差し指が、前髪を留めてあらわになっているジウの額を小突いた。

でも、と大判のブランケットを掛けられた皮革のソファに目をやる。
ブランケットの下には、先日、酒を飲んでコトに至った痕跡。

「さすがにこのままというわけには...」
責任を感じたジウは、家具のクリーニングをできないか見積もり依頼をしてみたが、「メーカーとサイズが対応不可」との回答。
別の業者に問い合わせたところ、メーカーと製品名で見積もりを取るとのことで、持ち主のシャンクスに製品名を聞いて検索したところ、その価格に大慌てした。

「俺は、別にこのままでも構わねぇが」
「私が構います!」
高圧洗浄機とか使えないよねぇ、とソファを見つめるジウの腕を掴み、膝の上に引き上げる。

「ジウが気になるってんなら買い替えていいが、金は出さんでいい」
ペナルティ、と嬉しそうに唇にキスを落とす。
「そういうわけには、」
「頑固なやつだなぁ」
ふむ、と太腿に乗るジウの腰を撫でる。
「カラダで払うか?」
「さいってー」
細められた目で睨まれ、ケタケタと笑ったシャンクス。

「だからせめて、クリーニングできないかと」
「それなら、買い替えちまおう」
スプリングがへたってきてるところもあるし、と背もたれを撫でる。

「じゃあっ!」
「あー、その分払うってんだろ?
 必要無い。が、一緒に選ぼう。
 ジウの好みのやつに買い替えだ」
それで決定、とにっかり笑う。

「吹かせたのは俺だしな」
「っ最低!」
ぷい、とそっぽ向いたジウの耳にキスをして、じゃあ、と笑いかける。

「どうせ処分するなら、もっかいシとくか」
「馬鹿!変態!エロ親父っ」

結局、その日の1回戦の会場はソファであった。

 ✜

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