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依々恋々 -Another story-

第38章 だいすき、しか言えなくなるまで...


あとは二人でやれ、とシャンクスはジウの手を引いて喫茶室を出た。

ジウを面倒事に巻き込みあがって...
来月の報酬減らすぞ、この野郎...と悪態づくシャンクス。

「ねえ」
裏手の住居者用のロビー。
他に人がいないのを確認して腕に抱きついた。

「浮気してないよね?」
「するわけねぇだろ」
間髪入れずに呆れた声で答えたシャンクスに、よかった、と笑う。
「もし浮気してたら、殺しちゃうところだった」
ピク、と片眉を跳ね上げて見下ろす目線に、ニコ、と笑ってみせた。

「ねえ、もしも万が一、私が浮気したらどうする?」
スル、と腕を登る指先を掴む。

「そうだなぁ」
なんの飾りっけもない指先にキスを落とす。
「まずは、理由を聞こうか」
「話し合いで解決したいタイプ?」
いや、とようやくついたエレベータにジウを引き込む。

「相手のどんなところが俺より惹かれたのか」
扉が閉まりきる前に、ちぅ、と手のひらに口づけを落とす。
「俺に何が不満だったのか、じっくり聞かせてもらおうか」

ゆっくりと壁にジウを追い詰め、後手にカードを翳して「閉」のボタンに手を翳す。

「尋問されちゃうのかぁ」
奥の壁に背がついたジウは、右肩のすぐ上にある上腕を撫でた。

「痛いのは、やだなぁ」
「それじゃあ尋問にならねぇなぁ」
ぐっ、と体を寄せ、ちぅ、と首筋に吸い付いたシャンクス。
つう、と滑らせた舌で耳元に唇を寄せ、優しく頬を包むと、長い指の先で両耳を擽る。

「ぁ、それ、やだっ」
「なあ、ジウ。
 俺を、捨てるか?」

確かに、わずかに含まれる焦燥の声色に、ギュッと首元に腕を回して抱きついた。

「あなた以外を見えなくして」
お願い、と吐息とともに囁いた言葉。

ポーン、と言う音とともに開いた扉。
ひょいと横抱きにジウを抱えたシャンクスは、大股に自宅は向かう。
玄関をジウに開けさせると、自分だけ履物を脱いで寝室へ向かう。
ポス、とベッドに優しくジウを寝かせると、細い手首を指で絡め取り、頭上で固めた。
器用に片手で自身のシャツのボタンを外す。

「大好きしか言えなくなるまで抱き潰してやるよ」

口角を上げて目を閉じたジウに、噛みつくようなキスをした。

                     end
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